§ 常設展  バラ §
斉田 安利(日本園芸協会)

バラの歴史
バラの原種は恐竜のかっ歩していた白亜紀にはすでに生えていたといわれ、アメリカでそのころの化石が発見されているようです。歴史的には、古代オリエントで、すでにバラが栽培されていたようで、エーゲ海クレタ島のミノア文明では、王宮にバラの壁画が残されています。ギリシャ・ローマになると、バラは広く愛好されていたようで、女王クレオパトラやネロ皇帝のバラについての逸話は、映画などを通して我々も知るところです。

その後、バラはヨーロッパで改良が進められてきましたが、現代につながるバラが生まれたのは、日本のお隣の国、中国で栽培改良されていた四季咲きのコウシンバラなどが、ヨーロッパに移入され、交配に利用されたことがきっかけとなっています。西洋の代表的な花のバラが、東洋の血を引いているというのは、ちょっと不思議ですね。

バラの系統
歴史が長いだけにバラには、多くの系統があります。ここでは、代表的な系統を、大ざっぱに紹介しましょう。

▼モダンローズ
四季咲きの木バラ(ブッシュローズ)とツルバラ(クライミングローズ)が入ります。

1.ハイブリッド・ティーローズ(記号H・T.)
大輪咲きの木バラで、1茎に1輪咲かせるタイプです。花型は、バラ独特の剣弁高芯咲きの品種が多くあります。


イングリッド・
バーグマン
(Ingrid Bergman)

エリザベス・
ハークネス
(Elizabeth Harkness)

パスカリ
(Pascali)

ピース
(Peace)

ブラック・ティ
(Black Tea)

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2.フロリダパンダローズ(記号F.)
中輪房咲きの木バラで、木全体に花を咲かせてそのボリュームを楽しむタイプです。


アンバー・クィーン
(Amber Queen)

シャンペン・カクテル
(Champagne Cockteil)

トランペッター
(Trumpeter)

プレイガール
(Playgirl)

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3.ミニュチアローズ(記号Min.)
極小輪房咲きでコンパクトな気姿になります。花壇にマスで植えたり、鉢やプランターで楽しむのに向きます。  四季咲き木バラには、ほかに小輪咲きのポリアンサローズやパティオローズもあります。


スターザン・
ストライプス
(Stars'n Stripes)

スノー・
インファント
(Snow Infant)

センターピース
(Centerpiece)

ドローラ
(Dorola)

ラビング・タッチ
(Loving Touch)

レッド・エース
(Red Ace)

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4.ツルバラ(記号CL.)
ハイブリッド・ティーやフロリバンダローズから枝変わりで生まれた中大輪咲きと、日本のテリハイバラの血が入った小輪房咲きのランブラー系が代表です。一季咲きの品種が多く、四季咲き性は強くありません。


ゴールデン・
シャワーズ
(Golden Showers)

ダブリン・ベイ
(Dublin Bay)

つる・ピンキー
(CL Pinkie)

ロココ
(Rokoko)

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▼オールドローズとイングリッシュローズ
モダンローズが成立する以前の系統をオールドローズと呼びます。1季咲きないし2季咲きで半つる性、香りのよい品種が多く多くあります。最近、そのよさが見直されて、人気があります。

オールドローズにハイブリッド・ティーローズを掛け合わせて生まれたのが、イングリッシュローズです。四季咲き性が強くなっています。イギリスのデビッド・オースチンが作出したものが本来のイングリッシュローズなのですが、最近は別の育種家が同趣旨で改良された品種も多くなってきました。 園芸品種の基になった原種も、素朴で可憐な花姿で人気があります。

オールドローズ


イレーヌ・ワッツ
(Irene Watts)

エンペラー・
ドゥ・モロク
(Empereur du Maroc)

ポンポン・ ド・パリ
(Pompon de Paris)

マダム・アルディ
(Mme. Hardy)

マダム・
アルフレッド・
カリエール
(Mme.Alfred Carriere)

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イングリッシュローズ


イブリン
(Evelyn)

ガートルード・
ジェキル
(Gertrude Jekyll)

グラミス・
キャッスル
(Glamis Castle)

ザ・プリンス
(The Prince)

シャーロット
(Charlotte)

ヘリテイジ
(Heritage)

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バラの花形
一重咲き 花びらが5枚で、フラットに開くもの。
剣弁高芯咲き 花弁数が多く、花びらの先が尖り、咲き始めは芯が高くなるもの。
半剣弁高芯咲き 花びらは剣弁高芯咲きほどとがらず、咲き始めは芯が高くなるもの。
丸弁抱え咲き 花びらは丸弁で、抱え咲きになるもの。

一重咲き

サリー・ホームズ
(Sally Holmes)
剣弁高芯咲き

ダイオラマ
(Diorama)
半剣弁高芯咲き

ブラックティ
(Black Tea)
丸弁抱え咲き

ウェルウイン・
ガーデン・グローリー
(Welwyn Gardem Glory)

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バラの花言葉
尊敬、清純、処女
情熱、愛情、貞節
上品、気品、温かい心
友情、愛が薄らぐ、嫉妬、別離


バラ栽培のポイント

● なるべく日当たりのよいところ
バラは日照を好みますので、半日以上日が当たるところがベストです。他の植物の陰になるところでは、まず育ちません。

● 水はけよく水保ちのよい土質
赤土系がよいでしょう。粘土質のところや砂がちのところは、堆肥を入れて改良します。

● 植え付けは冬か春
接ぎ木2年生の大苗が出回り始めるのは11月になってから。バラの活動も止まっていますから、植え付けの好機です。あるいは、春になって出回る1年生新苗か花付き鉢植えを求めてもよいでしょう。新苗の場合は、株に力が付いていませんので、1年は花を咲かせないで(蕾を摘み取る)、木に力をつけるようにします。
鉢植えの場合は、花が終わってから、庭に植えつけます。

● 肥料は切らさず、乾いたときは水やりも
バラは肥料食いですから、冬に寒肥(元肥)を施し、その後は生育の具合に併せて追肥します。また、芽出しの時期や蕾が大きくなる時期は、自然の降雨だけでは水が足りなくなることがあるので、水やりをします。

● 薬剤散布は定期的に
黒点病 降雨に拡大するので、雨の前後に集中的に散布します(ダコニールほか)。
また、水やりも土が跳ね返らないように注意しましょう。
うどんこ病 春先や秋口の新芽や蕾の柔らかいときに多く発生するので、
この時期に定期的に散布します(ミネラシン他)
アブラムシ 薬効持続期間の長いオルトランやエカチンの散布が効果的です。
チューレンジバチ 発生の初期にスミチオンを散布します。

● 冬の剪定
冬に樹形を整える剪定をします。ハイブリッド・ティーローズは、古い茎を根元から切り、残した枝も1/2〜2/3切り詰めます。フロリバンダローズとオールドローズは、同じく2/3〜1/2切り詰める程度でよいでしょう。ツルバラは、古いツルを切り取り、新しく伸びたシュートを横に伸ばして誘引します。

● 夏の剪定
四季咲きのバラで、秋によい花を付けるための剪定で、1季咲きのオールドローズやツルバラでは必要ありません。8月下旬から「9月上旬に行います。冬の剪定よりも弱く切ります(切る量を少なくする)
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