●カギとなる色素・デルフィニジン
植物がさまざまな色に見えるのは、含まれる色素の働きによるものです。植物の色素の中で代表的なものは、フラボノイド、ベタレイン、カロチノイド、クロロフィルの4種類です(右表参照)。このうち青色に見せる働きをするものは、フラボノイドの一種であるアントシアニンですが、アントシアニンの中でも特
に重要な青色の色素が「デルフィニジン」です。バラにはもともとこのデルフィニジンが含まれておらず、青色に近いバラの
花びらからも、デルフィニジンは発見されませんでした。こうした科学的裏付けから、十数年前までは青色は「実現不可能の色」として、もっともらしく語られ続けてきたのです。
青い花を調べると、多くの場合はアントシアニンの中に、デルフィニジンのほか、ペチュニジン、マルビジンといった青色の代表的色素が見られます。バラには、シアニジン(赤色)とペラルゴニジン(朱色)とい
う2種のアントシアニンが単独、もしくは混ざり合って花びらに含まれています。しかしながら、デルフィニジンをはじめ、青色に関わる先の3種の色素が含まれていないのです。
現在でも全容解明とまではいきませんが、このデルフィニジンの構造をはじめ、青色の花のメカニズムがだいぶ研究され、さまざまな条件をクリアして青色となることが分かってきました。現在分かっているその条件とは、次のとおりです。
・青色がより安定して存在するには、花弁の中がアルカリ性のほうがよい
・フラボン、フラボノールが一定量以上含まれること
・有機酸がアントシアニンと結合していること
・アントシアニン、フラボンが金属イオンと結びつくこと
実際にはこれらがいくつか複合されて、青色となります。また当然のことながら、赤や黄の色素が混じっていると青くはなりません。 |
■花の4大色素■
●フラボノイド
白・黄・橙・赤・紫・青など
フラボノイドは、アントシアニン、フラボン、フラボノール、カルコン、オーロンなどの色素の総称。水溶性で、細胞液に溶けた状態で存在している。このうち、赤から紫、青、水色まで幅広い発色をする色素がアントシアニンである。 |
●カロチノイド
黄・橙
カロチノイドは、カロチンとキサントフィルの総称。黄、橙から赤色の色素。花びらだけでなく葉や根、果実などにも含まれている。水に溶けず脂肪などに溶けるため、細胞内の色素体に含まれている。 |
●ベタレイン
黄・赤紫
ベタレインは、ベタシアニンとベタキサンチンの総称。前者は赤から紫色を、後者は黄色を発色する。ベタレインを持つ植物群は、ナデシコ目(ザクロソウ科、ツルムラサキ科、スベリヒユ科、ヒユ科、アカザ科、サボテン科、オシロイバナ科、ヤマゴボウ科)に限られている。 |
●クロロフィル
緑
クロロフィルは、いわゆる葉緑素のこと。緑色を発色するが、花の色の色素というよりも、光合成の中心的色素としての働きのほうが重要。多くの花は、つぼみのときはクロロフィルの色(緑色)をしており、花が開くころになるとその他の色素が合成され、クロロフィルは分解されていく。 |
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