§ ブルーベリーを楽しむ §
玉田孝人・竹内鐸也

甘酸っぱい果実はもちろんのこと、春には白くてかわいい花が咲き、秋は美しい紅葉が楽しめるなど、ブルーベリーは四季を通じてさまざまに楽しめる家庭果樹です。ご自分の庭に適した品種を見つけて、あなたもぜひ栽培にチャレンジしてみませんか。

ブルーベリーの葉は、秋になると真っ赤に色づく。
紅葉を楽しむ庭木としても人気が高い。

● おすすめのブルーベリー品種 ●
ハイブッシュブルーベリー
<Vaccinium corymbosum>
ラビットアイブルーベリー
<Vaccinium ashei>

アーリーブルー

ブルーレー

ブライトウェル
耐寒性の強い品種。果実は中〜大粒で、やや酸味はあるが風味にすぐれ、日持ちも良い。極早生種。

果実がひじょうに大きく、耐寒性に優れている。縦冠内部から、強いシュートがでる。中生種。 果実は中〜大粒で、果皮は明青色で美しい。甘みが強く、香りも良い。極晩生種。

スパータン

エチョータ

ティフブルー
「アーリーブルー」より数日遅れて成熟する。果実はきわめて大粒で、円形〜扁円形となる。早生種。

やや酸味が強いが、日持ちが良く、風味も良好。果実は大粒で、果皮は明青色で美しい。中生〜晩生種。 ラビットアイの主要品種。果肉の締まりや香りがよく、完熟時の糖度も高い。極晩生種。

シェイラ

ブリジッタブルー

パウダーブルー
果実は中〜大粒で、 日持ちが良く、土壌適応性が広いのが特徴。早生〜中生種。 果肉が硬く、ぱりぱりとした食感があるが、風味はよい。日持ちや輸送性に特に優れる。晩生種。

品質や熟期はティフブルーに似ているが、比較的烈果しにくく、日持ちも良い。極晩生種。
   



食べる・育てる楽しみ
玉田孝人
「食の国際化」「食意識の多様化」の時代になったと言われて、久しく年月がたちました。そんな中、今なおブルーベリーが注目されているのは、なぜでしょうか。まずは、その魅力の秘密を探ってみましょう。

果実を食べる楽しみ
成熟したブルーベリーの果実は小粒で、アントシアニン色素による明青色、糖と酸味が調和した甘酸っぱい風味、やや粘性を示すペクチン質、などが特徴として挙げられます。また、果皮をむいたり種子を取り出したりせずに丸ごと食べられるため、果実の廃棄率が0%であるという特徴もあります。

●さわやかな風味の秘密
ブルーベリーの独特の風味は、含まれる糖と酸によるものです。糖は主に果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)で、全糖に対して90%以上を占めています。果糖とブドウ糖の比率はほぼ一定です。酸(有機酸)は主にクエン酸とコハク酸であり、少量のキナ酸とリンゴ酸も含みます。

●輝く明青色の秘密
果実の色は、アントシアニン色素によるものです。アントシアニンは、5つのアントシアニジンと、3つの糖がそれぞれ結合して、15種類の色素から構成されています。ブルーベリーは、これらの15種類のアントシアニン色素を含んでいるのが大きな特徴です。この色素の含有比率によって果皮の色は微妙に変化し、品種ごとの色の違いの元になります。

●健康果実と言われる秘密
ブルーベリーは「21世紀の健康果実」と言われていますが、それは果実の保健成分と、アントシアニン色素にその秘密があります。
ブルーベリーには、ミネラル、ビタミン類および食物繊維が多く含まれています。

ミネラルでは、マンガン(0.26mg/100g中:以下同)、亜鉛(0.093〜0.119mg)が多く含まれています。ビタミン類のうち特徴的なものは、ビタミンE(1.59〜1.7mg)とビタミンC(9.0〜16.7mg)です。この2つは「抗酸化ビタミン」とも呼ばれ、高い抗酸化力を持ち、各種の生活習慣病の予防に関与することが知られています。果実(生果)中の食物繊維の総量は3.3〜4.13%もあり、果実の中でも含有量がもっとも多いものの一つです。
また、アントシアニン色素を含むフェノール類は、次のようなさまざまな健康機能性を持っていることが、明らかにされつつあります。

?b眼に良い(夜間の視覚低下を改善、眼精疲労の回復、暗順応促進効果)
?b毛細血管の透過性と脆弱性の調節
?b各種の生活習慣病の予防効果
?b老化の遅延や予防、脳血管疾患の回復

●加工利用の幅広さ
ブルーベリーの利用用途はひじょうに幅広く、ジャムやジュース、ワインなどの原料のほか、各種加工品の素材として広く利用されています。しかしながら、ブルーベリーの果実は本来、生食が基本です。生食することで、各種のミネラル類やビタミン類など、果実に含まれるすべての成分をそのまま摂取できます。
家庭果樹として育てる楽しみ
ブルーベリーが今なお注目されているもう一つの大きな理由として、全国各地で栽培できることが挙げられます。また、庭やベランダにブルーベリーがあることによって、四季折々の成長に感動し、生命のたくましさに感銘を受けるといった、心を癒してくれる効果もあります。

4月上旬ごろからは、つり鐘状の小花(1つの花房に10個前後)をつけ、約3〜4週間、開花します。
4月からの成長期間中は、果実は緑色ですが、収獲の2週間くらい前から薄いピンク色に変わり、成熟すると明青色になり、表面に白い粉を被ります。果実の成熟期は6月上旬〜8月下旬にかけてで、5〜7日間隔で収獲が楽しめます。

さらに、10月中旬から約1か月間、鮮やかな紅葉が見られます。紅葉が終わると、木は葉を落として根による吸水活動を抑え、冬の寒さに耐えています。いっぽう花芽や葉芽は、翌春に美しい花をたくさん咲かせ、健全な枝葉を出し、大きくておいしい果実をつけるために、冬の寒さを積極的に受け入れています。まさに、たくましき生命力と言えます。


4月ごろ、白またはピンクの釣り鐘状の小花が、まとまって咲く。
開花期間はおよそ3〜4週間。

おいしい楽しみ方
竹内鐸也
「食の国際化」「食意識の多様化」の時代になったと言われて、久しく年月がたちました。そんな中、今なおブルーベリーが注目されているのは、なぜでしょうか。まずは、その魅力の秘密を探ってみましょう。

ブルーベリーの成分と健康効果
ブルーベリーの果実に機能性があることを最初に指摘したのは、第2次世界大戦中の、英国空軍パイロットだと言われています。ワイルドブルーベリーのジャムを多量に食べた後、薄明りの中での操縦の際、物がよく見えたとの報告によって、イタリア、フランスなどの科学者の関心を呼び、研究が進められました。その結果、ブルーベリー中の青い色素であるアントシアニンには、疲れた目を早く元気にし、視力を回復させ、物がよく見えるようにする働きがあることが分かったのです。

目の網膜には、ロドプシンという色素体があります。この色素は目を使っていると徐々に分解され、また光の作用によっても分解されていきます。ブルーベリーに含まれるアントシアニン色素は、このロドプシンの再合成作用の活性化を促進する働きがあります。また、老化やガンの原因とも言われる、活性酸素の働きを抑える抗酸化力が強く、その力は、米国国務省人間栄養研究センターによると、野菜・果物の中でも第1位となっています。

また、アントシアニン色素には、毛細血管をしなやかに、じょうぶにする強化作用も確認されており、毛細血管がもろくなって起こる脳卒中や、網膜はく離などを防ぐ機能が期待されています。

このほか、果皮・種子ごと食べられるブルーベリーには、食物繊維が多く含まれています。この食物繊維には整腸作用があり、大腸ガンの予防作用があるとされているほか、コレステロールの吸収を減らす作用もあります。
そのほか、鉄、マンガン、銅、亜鉛などのミネラルが多く、ビタミンA効力が高いうえ、ビタミンE、Cなども豊富です。

加工と利用のいろいろ
ブルーベリーは、生の果実を使っていろいろな商品が作られますが、保存に適した形に加工された冷凍果実や乾燥果実、さらには缶詰や果汁も原料として利用されます。ここでは、家庭でも手軽に作れるブルーベリーの加工食品(ジャム、ソース、果実酒)をご紹介します。ご自分の庭で採れたブルーベリーを、手軽においしく味わってみてはいかがでしょうか。



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